2010年06月08日

6月災害を通して学生と学びたいという夢を3年前から神戸常盤大学で実現!

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6月のゲストは畑 吉節未(はたきよみ)さん神戸常盤大学保健科学部看護学科で在宅看護を教えて今年で3年目、そしてご自身は、神戸大学大学院保健学研究科博士課程在学中です。


■震災のときは…
長田で、教員をしていて11年目でした。震災の時は、ちょうど加古川に転居したところでした。私は、西神のほうから車で学校へ来ました。自転車に乗って学生の安否確認をしました。一番は学生のことを考えていました。私の学校では、2人の学生が亡くなりました。
神戸に行くと大変な状態がありました。でも、加古川に戻るにつれて、普通の日常に戻ります。その間を行き来することがとてもしんどかったです。

■看護師として
看護師として、その狭間を埋めるために、「震災での看護を経験した人に話を聞いて、伝えたい。風化させないために、教育に取り入れていきたい。」と思っています。ライフワークとして、できるだけ聞いて伝えていきたいと思っています。


今まで、35、36名の医療関係者の方に聞かせていただきました。

■阪神淡路大震災 看護師の話
1月17日、新しい命が生まれました。その日、その赤ちゃんのお姉ちゃんが遺体で運ばれてきました。この時に、看護師さんは、そのお姉ちゃんにできるだけ綺麗な色のゆかたを着せ、お母さんの傍らに新しい命、もう一方に別れゆく命を添い寝させて、「一晩過ごしてください」と告げました。お母さんは泣き詰めでしたが、翌朝、「別れの時を持つことができて、ありがとうございます」とおっしゃいました。

■福知山線脱線事故 ドクターの話
最近の災害現場ではトリアージが行われます。黒タグは助かる見込みがないとみなされるので、我々ドクターは見ません。でも、看護師は、黒タグに近づいて、泥を払ったり、目を閉じたり、衣服の乱れを直したり…そこにもケアがあるということを教えられました。看護師は、「マスコミからご遺体を守った。できることはそれしかなかった。」と言っていました。そして、お亡くなりになられた時間を書き残しました。「物が壊れたのではない。一つの命、家族にとって、それはとても意味のある時刻なのです。」と話したそうです。

いろいろ聞かせていただいたことができるような看護師になるためには、どのような教育が必要なのかを考えることが私の使命だと思っています。
昨年度の看護学会の優秀論文賞を受賞しました。私は、神戸大学の保健科学の博士課程の学生でもあります。受賞論文は、博士論文。震災の語りの中に看護の本質があるので、それをまとめたものです。研究のための研究ではなく、実践のための研究であるために、頑張っていきたいと思っています。
posted by FMYY at 20:10| Comment(0) | TrackBack(0) | ポッドキャスティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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