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12月のトーク1 神戸東急イン料飲支配人 中山義昭さん
ホテル神戸東急インに勤務。神戸甲南ライオンズクラブ会員でもあります。
震災当時は兵庫区大開通にあるワンルームマンションで一人暮らしをしており、直後はパニック状態でした。
勤務地は三宮にある神戸東急インでしたが、部下との連絡がついたのは2時間ぐらい経ってからです。ホテルの地下にある公衆電話から連絡がありました。
ホテルは耐震壁などを使った頑丈な建物だったので大丈夫でしたが、備品類など内部の破損が大きかったため、約半年間、休館しました。
近年、建物の耐震性について話題にのぼることがありますが、硬ければいいというものはありません。柔らかい部分があって、そこが歪んで破損してくれた方が建物全体としては壊れにくいということがあります。建築法も改正されてきており、免震に着目する例が見られます。
全国各地に転勤しますが、地方のホテルにはベランダがありません。神戸にはベランダがあって、そこに避難できたことが構造的にはよかったと思います。
当日に宿泊されていたお客様や親族の方からは、後日、感謝状や手紙をいただきました。夜勤の従業員それぞれが行動し、お客様を誘導したからです。結果、宿泊のお客様は、ほとんど怪我なく救出することができました。定期的に行っている消防訓練や防災訓練が役に立ちました。
技術的な視点も大切ですが、ソフト面での取り組みを忘れてはいけません。いくら訓練をしても意識をもって取り組まなければ無駄になります。マニュアルは必要ですが、その使い方は日ごろからトレーニングしておく必要があります。そのため、年に1〜2回は消防訓練を行うようにしています。
若い従業員が多いので、震災の経験を言葉で伝えていくことは大切だと思っています。部下には、日ごろから意識をもっておくようにとは常に言っています。しつこいと思われるぐらいがちょうどいいのかもしれません。
また、地方のホテルでは防災意識がどうしても低くなります。日常の業務にトレーニングを組み込み、チームワークをよくしておくことが大切だと思っています。